ToMoLog’s blog

海外大学院について、ストックホルム大学院についてのあれやこれやをつづっていきます。皆さんの海外留学・スウェーデン留学のお供となれるようなブログを目指しています。

ベルギー留学中のクリスマスの思い出(クリスマスに携帯を落とした話)

メリークリスマス!God Jul!

皆さん各地で素敵なクリスマスをお過ごしでしょうか。

毎年クリスマスが来ると、ベルギー留学中のクリスマスの思い出を思い出します。

今回は、そんな私のクリスマスの思い出をちょっとご紹介しようと思います。

※題名がアレですが最後はハッピーエンドなので安心してくださいね!

 

 

クリスマスの日の朝に

 2017年の冬、当時ベルギーのルーヴァンという街に学部の交換留学生として住んでいた。

 ベルギーに来てから初めてのクリスマス。クリスマス時期から年末にかけて、日本にいた家族がベルギーに会いに来てくれた。

 25日、クリスマスの日。今日はブリュッセルのホテルで泊まっていた家族とブリュッセルで落ち合って、マグリット美術館に行ってからブリュッセル近くの古城ホテルにみんなで泊まる予定だった。

確か朝の10時半くらいだったと思う。

私はルーヴァンの自分の寮からブリュッセルに向かうための電車に乗った。

この時、時間通りに来たと思って電光掲示板をしっかりとみてなかったのが失敗だった。

ベルギーでは、電車が遅れることはもちろん、さらっとプラットフォームを直前に変えることなんて日常茶飯事。それを知っていながら、何も疑わず来た電車に乗ってしまったのである。

ルーヴァンからブリュッセルまでは、電車で20分〜30分ほど。

無事に時間通り電車に乗れたことに満足して、兄にメッセンジャーで「あと30分くらいでブリュッセル着くよ~!」とテキストを送って悠々と席に座って音楽でも聞いていた気がする。

そして、電車に乗って20分くらい経った時に違和感に気づいた。

(あれ?まだ次ブリュッセルってアナウンスされてないような気がするぞ…?)

よくよく窓の外を見れば、辺り一面草原だらけで、どんどん郊外に向かっている気がする…!

慌てて携帯のGoogleマップを開いてみた。うわ!明らかにブリュッセルと反対方向に向かっている…!

そう、私が乗った電車はブリュッセル行きなんかじゃなくて、真反対の方向に向かう電車だったのだ。

次の駅が何かわからなかったけど、とにかく若干パニックになって、次に止まった駅に慌てて降りた。

そして…この時、自分がもう一つの携帯を持っていないことに気がついたのである…。

 

Zichemという駅での2時間の葛藤

 ここで、「もう一つの携帯ってどうゆうこと!?」となっている方が大半と思うので説明すると、

当時の私はiPhone 6を持っていて、SIMフリーではないバージョンを持っていたため、留学中は基本そのiPhoneWi-Fi環境下でのみ使用していたのだが(LINEのメッセージ確認したりとか写真撮ったりとか、インスタとか確認するのはこっち)、

それだけでは不便だからと、留学先のバディが昔使っていたというandroid携帯を貸してくれて、それにベルギーのSIMカードを入れて使っていた(電話やWi-Fi環境下以外で携帯が必要な時はこっち)。

つまり、留学中はiPhoneandroid、二つの携帯を常に持ち歩いていた。

で、私が電車に置き忘れたのは自分のiPhoneの携帯だった。

電車の座席脇から小さな机を出せるようになっていて、確かにiPhoneをそこに置いた記憶はあった。しかし、その上に自分のマフラーと手袋を置いてしまっていて、出るときにマフラーと手袋だけ掴み、携帯が置き去りにされているのを完全に見逃して出てきてしまったのだ。

降り立った瞬間の「ここどこ...?」的な絶望と、確実に約束の時間に家族に会えない絶望、そしてその数秒後に携帯をなくしたことに気付いた絶望と、絶望の波が一気に押し寄せてきた。

「なんでこんなクリスマスの日に、、、」と、半べそをかきながら、

とりあえずもう一つのandroid携帯の方で、家族に急いで連絡し、今どこかわからないこと、携帯をなくしたこと、ブリュッセルに戻るように頑張ってみるが時間に間に合わないので美術館は先に行っておいてほしいということを伝えた。

冷静になってみて、どうにかしてもう一つのiPhone携帯を取り戻す手立てがないか、あんまり回らない頭で必死で考えてみる。

駅の名前を見るとそこにはZichemと書かれてあった。本当に完全にブリュッセルと真反対の方角に行っていたらしい。

自分が載っていた電車を調べるとどうやら終点はHasselt駅。まだ電車は終点についていないということは、おそらく私の携帯も今きっと(盗まれていなければ)電車に揺られながらHasselt駅に向かっているはず!

電車の車番も確認し、とりあえずベルギーの鉄道会社に電話してみる。その時のやりとりの記憶ははっきりとは覚えていないが、

「今まだ電車が動き続けているから、携帯があるかどうか確認できない。」

みたいな感じで、そんなに希望の持てる返答じゃなく、がっかりした覚えはある。

 

がっかりはしているものの、今できる対応はしたので、段々と冷静さを取り戻してきた。

あらためて周りを見渡してみるとZichemという駅は本当に何もない。人間すら見当たらない。本当に今日はクリスマスか?!と疑いたくなるほど、自分以外だれもいない。ちょっとこの状況ウケるな、写真でも撮っておくか。あ、ちゃうちゃう写真撮る用の携帯今ないんやった、と、ノンスタイルのネタみたいなことを一人でやってセルフツッコミをして、

ちょっと落ち着いたところで、次のブリュッセル行きの電車を調べてたところ、なんと約2時間先!?

当時家族に送った時刻表が残っていたので写真も載せておくと、11時ごろにZichemの駅に着いたのだが、戻りの電車は13時ぐらいまで来ないらしい。なんてこった。

家族に送った電車案内のスクリーンショット

 仕方ないので近くのカフェで温かいものでも飲んで自分を慰めるかぁ~とクリスマスを商業化されたイベントだと勘違いしている日本人の私は思い立ったのだが、

ベルギーはカトリック教徒が大半の国。クリスマスに普通のローカルカフェが空いているはずもなく、とりあえず近くのカフェを見てみたけど、やっぱり閉まっていた。今日何回目のがっかりだろう、、、、。

 

しぶしぶ駅のホームに戻り、さすがにプラットホームに2時間待ちぼうけは寒すぎるので、待合室のような所に座って時間をつぶす。もちろん待合室の中も暖房がついているわけではなく、普通に寒かった。ラッキーなことに、その日の夜は古城のホテルに泊まる予定だったので、パジャマや着替えも持ってきていた。ここまで色々重なるとおしゃれとかもうどうでも良くなる。どうせ今一人だし、と思って、スカートの下にパジャマ用のジャージズボンを履いて寒さをしのいだ。(途中若いお兄さんも待合室に入ってきて、恥ずかしくなってジャージ履いたことをちょっと後悔したのもいい思い出、開き直ってそのまま過ごしたけど(笑))

 

そんなこんなで、暇すぎる悲しすぎる2時間をZichemで過ごし、やっとの思いでブリュッセルに戻ってきた。

 

(ちなみに、Googleマップで誰かが挙げてくれていたZichemの駅の写真を参考までに載せておきます↓↓こんなところで2時間待ちぼうけしてました。)

Zichem駅

ブリュッセル駅での奮闘

ブリュッセル駅について真っ先に向かったのは、もちろん駅のインフォメーションセンター。電話で問い合わせたときと同じように携帯をなくしたことと、乗っていた車番を伝えた。私が携帯を置き忘れた電車はこと時点ではすでに終点のHasseltについているはずだが、今のところ携帯の置き忘れなどの連絡はないということであった。インフォメーションセンターのお姉さんに、「残念だけど、あんまり望みはないかも...」とそれとなく諦めるように促される。

 

やはりそうか、、、、と私も半ばあきらめながら、ブリュッセル中央駅の中にあるスターバックスに行き、慰めのためのラテとお菓子を頼んで、家族が来るのを待つ。

 

ここまで来ると、どうにかしてポジティブになるように人は色々な理由を考え始める。

「なくしたのが自分の携帯の方でよかった~」とか、

「自分の身に何か起きそうになったのを、携帯が厄払いしてくれたのかも、、」とか

「まぁこれを機にもっといい性能のiPhoneを買えばいいし」とかとか。

 

たまたま期末テストも近いし、ということで、勉強のためにノートパソコンも手元にあった。スタバのWi-FiをつかってPCでiCloudにサインインしてみる。当時、残念ながら携帯を探す機能をONにしていなかったため、携帯がどこにあるのかは分からなかったが、iCloudに写真を同期していたため、前の日に撮った写真もパソコンからみれた。

正直、携帯なくした時に写真のデータが無くなるかも、ということが一番悲しかったので、写真がちゃんと同期されていることを確認出来て安堵する。

 

 家族を待っているうちに、この悲しい出来事を誰かと共有して慰めてもらおうと、留学先で出会った日本人の友人に携帯なくしたことをLINEしてみた。

 そしてなんと、奇跡が起こったのである...!

 

救世主のおかげで携帯Returns

どうやら携帯を拾ってくれた救世主がいたらしい。

ちなみに私が友人にメッセージを送ったのはLINE経由である。

その時のLINEのやり取りがこちら↓

友人とのLINEのやりとり

 どうやら友人の返信「何があったん」を受信した時に、私のiPhoneの携帯にポップメッセージが出てきたらしい(Wi-Fiがないとポップメッセージは出てこないので、どのWi-Fiを拾ったのかは心底謎であるが)。

 そしてたまたま、私がLINEした友人がアカウント名を英字にしてくれていたおかげで、

おそらくFacebookで同名で現在ベルギーに住んでいる人を拾い主が検索してくれたのだろう。日本人の友人に連絡したというのも、検索出来た理由の一つかもしれない。

それで、拾い主から私の友人にメッセンジャー越しに連絡がきたと。

(”You might be the last resort”と言われたらしい(笑))

 

 上の私の返信からもお分かりのとおり、友人に連絡して携帯の拾い主がわかるなんて全く予想しておらず、喜びと驚きで動揺しまくりである。

 

とにかく携帯を拾った人(と、私の友人)のGreat jobのおかげで、無事に拾い主と連絡を取ることができ、無事にその日のうちに携帯を取り戻すことが出来たのである。

 

数時間前には予想もしていなかった展開である。その拾い主はお兄さんで、「ブリュッセルの近くの~~駅が僕の最寄り駅だから、そこまでこれる?駅の出口を出たところの前にあるDelhaizeスーパー(ベルギーやフランスにあるチェーンのスーパー)で会おう!」といわれ、さらに

「My sister will be coming with me so that you don’t need to worry about meeting a strange guy. I am wearing a red basketball cap and she is wearing a bright blue jacket 😉」

と付け加えられ、何とも素晴らしい気遣いに感動。

 赤いキャップと青いジャケットというものすごい分かりやすいシルエットのおかげで、すぐに見つけることができ、無事に私の携帯が手元に返ってきた。

 

私は感動と感謝でうまく話せないままとりあえず”Thank you”を繰り返した。

 

去り際に”Merry Christmas”とウインクされて、本当に終始全ての行動がかっこよすぎたお兄さんだった。

 

かくして、2017年のクリスマスは、前半は波乱しかなかったが、最後は携帯を無事に取り戻すこともでき、家族と再会して、古城ホテルで最高のクリスマスを過ごしたのである。

 

クリスマスが来るたびにこのベルギーの時の思い出がよみがえってくる。

この一連のおかげで、ベルギーがより大好きになった。盗難にあいやすい街ではあるが、そういう人ばかりじゃないんだなぁとしみじみ思った。

 

今年も救世主お兄さんとその妹さんが幸せなクリスマスを過ごせていますように。本当にありがとう!

(お兄さんをつなげてくれた私の友人にも感謝!)

 

皆さんもMerry Christmas!